雷の鳴る日
- オオカミ少年
- 2019年9月15日
- 読了時間: 1分
雷鳴が轟くある夜。
僕はなんとなく窓の外を見た。稲光が起きて外の世界のモノクロになったものが見えた。
数が多かった。1つ多かった。外にあるべきもの、見えるべきものの数が1つ多かった。人影がべっとり窓の外にあった。1つ。1人というべきか。こちらを見ている。そいつの姿は真っ黒だがそのように思えた。
あれから何年も経つ。だが相変わらずあいつはそこにいる。
雷の鳴る日。僕は決して窓の外を見ない。見続ければあいつはこちらに入ってくる。そんな気がするから。

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